歴史のお勉強
古典時代から文学とは、有用性(use)を娯楽性(delight)でくるむものとみなす考え方が支配的であったが、市民社会はこの考え方を強めこそすれ、弱めることはなかった。(p.85)
小説は市民階級のためのジャンルである。・・・そして十八世紀をつうじてイギリスの市民階級が成長し、家庭での余暇が増し、字の読める階層がひろがるにつれて、小説というジャンルは根を深く降ろし、枝葉を茂らせていったのである。(p.129)
<<感想>>
本来であれば、次は1-07『ハワーズ・エンド』E・M・フォースターの書評が来るはずである。しかし、ここに来て、ここまで殆どイギリス文学に親しんでこなかったことに気付いた。
当ブログの書評を一つか二つかお読みいただいた方であれば、私が文学史を重視していることをご理解していただいていると思う。それは、文学史全体を丸ごと一書の作品のように捉えているからだ。
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