早すぎたケータイ小説
この川はカンボジアの森のなかのトンレサップ湖から始まり、出会うものすべてを拾い集めてここまで来た。それは訪れてくるものすべてを連れてゆく、藁小屋、森、消えた火災の残り、死んだ鳥、死んだ犬、溺れた虎、水牛、溺れた人間、罠、水生ヒヤシンスの集落、すべてが太平洋へと向かう、どれひとつとしてふつうの調子で流れてはいない、どれもこれも、内部の水流の深く、めるくめくような嵐に運ばれてゆく、どれもこれも、大河の力の表面に宙吊りになっている。 (p.359)
≪感想≫
wikipediaに書かれた「ケータイ小説」の特徴を幾つか抜き出してみる。
文体
1.改行が多い、2.一文一文が短い、3.主人公の主観視点、4.意識の流れ的記述
内容
1.少女を主人公とした恋愛ものが多く占める、2.悲劇的な出来事が題材にされやすい、3.性的描写が多い
その他
1.普段本を読まない層に爆発的に消費され、ベストセラーとなった、2.人気作は映画化された、3.JPOPの歌詞と親和的である。
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