2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
輝く時間を分けあった あの日を胸に今日も生きている 2017年7月13日に最初の一冊を読んで、約5年半もかかったこの企画。途中に『失われた時を求めて』を再読したり、ナボコフ・コレクションを読んだり、まるっきり初心者から1年かけて将棋の段位を…
明日の月日のないものを 第2集読了からは約4か月。順調にあちこち浮気してようやく第3集も読み終わった。 今回は別に全体総括の記事を用意しているため、この3集について書くか迷ったが、せっかくだから書いてみることにした。 作品数が4作+短編という…
変わりゆく街は明日なき無情の世界 さて、短篇コレクションも2冊目。とうとう本全集最後の1冊となる。 前回同様、概要/背景/本のつくり欄も省略で、書きたい部分だけ各作品の項目で触れることにする。また、本巻は2023年4月現在まだ手に入るようだが、各作…
ナツメロのように聴くあなたの声はとても優しい ぼくが子どもの頃、村の年寄りたちは日向ぼっこをしながらマニ車を回していた。その頃はまだ、時という風は今ほど速くはなかった気がする。昼と夜は年寄りたちが回すマニ車のように繰り返しやってきて、果てし…
<<前置き>> 2023年-2025年の計画で行われているジェイムズ・ジョイス『ダブリナーズ』の読書会である"Deep Dubliners"に参加しています。その準備として『ダブリナーズ』の全15短編について、各短編ごとの記事を書いていく予定です。 目的はもっぱら読書会…
ほんの一夜の物語を行こう! 「すでに記されていて、書き換えることのできないものに乾杯!」(p.18) <<感想>> イラン文学、である。 しかし、この物語をイラン文学と規定するのは、同じくイランに出自を持つ『千一夜物語』をイラン文学と規定するのと同じだ…