2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
世間のしくみにとても勝てないから こうしてある日、殺戮と武勲を重ねたあと彼はかつての場所に戻ってきて、自分の創造したものを破壊した。ついに自由を得るために。(p.480) <<感想>> 危うく古来より伝わる秘儀・壁本を繰り出してしまうところだった。途中…
千の夜を飛び越えて走り続ける 英語とロシア語こそが、ナボコフにとっては真の「笑いと嘆き」(laughing and grief)*1の言語なのだ。 <<感想>> 『世界文学とは何か?』、本書のタイトルはわかりやすいようで捉えどころがない。その内実は、全く新しい「世界文…
そして世界中で叶わぬ恋にお悩みの方 それでもこれでもういい、ということがないのが世界文学だ。そして人生も。(p.381) <<感想>> 読むと文学がさらに好きになる素晴らしい本。 『世界は文学でできている』【過去記事】のシリーズ最終回。今回は4名との対談…
誰も触われない二人だけの国 太陽よ、わたしをフライデーに似せてくれ。笑いで明るくされ、まったく笑うのに適しているフライデーの顔をわたしにあたえてくれ。(p.175) <<感想>> 期待していた作品。そして期待通りの作品。今回は褒めるでぇ! 昔から、それこ…
情けないよでたくましくもある この地の唯一の意志は昔ながらの、悲惨な、混沌とした国以外のものには絶対にならないというかたくなな決意だった。彼女はそれをかぎとった。彼女はそれを感じとった。それがメキシコだった。(p.420) 私は何か大変に大きな勘違…
僕の前に道はない僕の後ろに道は出来る チェコの文学に限らず、相互関係やフィードバックがあるのが現代の文学なのだ。(p.209) <<感想>> フランシスコ・ザビエルが何人だかご存じだろうか?スペイン人?ポルトガル人?私も意識したことはなかったが、正解は…
投げ出さないこと信じぬくこと 「パタゴニア!」彼は叫んだ。「手ごわい女主人だ。彼女は魔法をかける。魅惑的だ。君をその手でとらえて、けっして放さない」(p.47) <<感想>> 私は旅行が苦手だ。 長距離の移動もさることながら、"sight-seeing"に興味が持て…