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銀の龍の背に乗って 「お前らにはわからんのだよ。チアリーダーだろうがチームのレギュラーだろうが、なんの保証もありやしないんだ。いつ何がおかしくなっちまうか、わかったもんじゃないのさ」と、自分も高校でクォーターバックか何かだったリチャードが言…
今 心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ 「・・・小僧、いいか。世界にはずっと誰にも知られないままのことだってあるんだ。人の目が見たものが絶対とは限らない。」(p.19) <<感想>> 珍しく引用、それも長いものからはじめてみたい。 一か月後の同…
情けないよでたくましくもある この地の唯一の意志は昔ながらの、悲惨な、混沌とした国以外のものには絶対にならないというかたくなな決意だった。彼女はそれをかぎとった。彼女はそれを感じとった。それがメキシコだった。(p.420) 私は何か大変に大きな勘違…
ぼくたちの失敗 麦を打つ聖なる庭で、農夫らが箕をゆすり、黄金の髪の五穀の女神が、吹きつける風に任せて、実と籾殻を選り分ける時、籾殻の山は次第に白く盛り上がる―御者が絶えず戦車を旋回させ、再び戦線に加わらんと疾走する馬の蹄が、兵士らの間を青銅…
Oh Freud nicht diese töne! 少なくとも、その当時夢に彼女があらわれたことはぼくの記憶にない。 そのころぼくは、『千夜一夜物語』のような夢を見ていた。空を飛ぶ夢!何千もの硬貨を群衆に投げる気前のよい紳士になった夢!(p.251) <<感想>> 今回は他の作…
アフリカの叙事詩? わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。当時は、タカラ貝だけが貨幣として通用していたので、どんなものでも安く手に入り、おまけに父は町一番の…
早すぎたケータイ小説 この川はカンボジアの森のなかのトンレサップ湖から始まり、出会うものすべてを拾い集めてここまで来た。それは訪れてくるものすべてを連れてゆく、藁小屋、森、消えた火災の残り、死んだ鳥、死んだ犬、溺れた虎、水牛、溺れた人間、罠…
オイディプス女王 ≪感想≫ ソフト帽は映画からそのまま脱け出たみたいだ―女の件で気がむしゃくしゃするから、財産を半分賭けに、四十馬力の車に乗ってロンシャン競馬場へ行く前に無造作にかぶるような帽子である。(p.32) 清々しいほどつまらなかった。 あまり…